WebのLog.

愛に燃えるブロガーになる。

現代技術を半世紀以上まえから読みとる。

まずはSF小説の簡易年表を以下に示す。

 

1920年ロボット

1922年『絶対製造工場

1934年『山椒魚戦争

1949年『一九八四年

1950年『われはロボット

 

誰もが知っているこれらの有名なSF小説で「技術の拡散」というテーマでもう一度紡いでいきつつ現代と照らし合わせながら語ってみることにする。また、ITとロボット技術が混在している点もあるが、googleに代表されるように、ITをロボット技術に活用しはじめているのでその差は関係ないものにした。

では、『ロボット』『山椒魚戦争』『1984年』といった(他にもあると思われるがぼくの部屋にあったものに限定した)技術やロボットが人間に対して支配して破滅していくというディストピア的なSF小説の流れから、アイザック・アシモフが『われはロボット』というSF小説のなかでロボット工学三原則を考えたのは割と有名な話であろう。(このあたりの情報はロボット工学三原則 - Wikipediaにも書かれてあるので是非お読みを。ぼくも読んで再確認したが・・・。)

 

現代においてもアシモフの提言に近いことに対して熱心に語っている方の動画があるので紹介しておく。技術やロボットとの付き合い方についていろいろ考えたりすることができるので、GWでもあるし時間に余裕のある方はどうぞ。(はい、ぼくです。)

 

ぼく自身も上動画に同意するし、こういったことは「確実に伝えていかなければいけない」。それこそ判断を誤ると、本当にディストピアの世界になってしまう恐れもあるのではないだろうか。

この流れから『山椒魚戦争』から一節を取り上げておきたい。

人間には、自分たちに役立つものはさておいて、自分たちに害を与えたり、危険なものを神秘化する傾向がある。(P.250)

 

その一方で、現代においてネットワークというものが世界に張り巡らされているため、世界と簡単に接続することができる。と同時に『絶対製造工場』に描かれているように、「絶対の拡散」による人々の「癒しの拡散」も徐々に拡がっているのでないかと考えているので例を取り上げていくことにする。

現在日本から世界に広がりつつある技術ではパロ」、初音ミク」(過去ブログも参照願う)らに代表される。これらの技術は(超越とは言い過ぎだったかもしれないが)、孤独を癒やす手段としての技術(≒宗教に近いのではないだろうか)として考慮にいれることができると思う。

「パロ」は下記の動画でも紹介されているが日本以外でも売られはじめているし、去年某首相にも紹介していた(リンク先)りしているため、世界でも広がりをみせていくのではないだろうか。(何よりもかわいいので♡)

 

初音ミク」に関していうと、最近でもニコニコ超会議で「超ボカロキャラで握手会、初音ミク」という初音ミクちゃんと握手までできる技術まで開発されてきているし、『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』という著書においても、従来のポップ・ミュージックと初音ミクを接続しようと試みる刺激的で興奮を免れない内容になっていたりもする。この著書のなかには、米国トヨタのCMで初音ミクを起用したり、パリのシャトレ座でオペラ公演をしていたりといったことが書かれ、世界の音楽の流行になりつつあるのかもしれない事実(というか、なっている?)を示している。また、初音ミクYouTubeというインターネットプラットフォームと相性もいいためきっかけさえあれば拡散も速いということも考慮に入れておきたい。

 

今回、あえて超越という視点で語ってみるという「思いはあった」が、『社会は情報化の夢を見る』という著書を読んでから超越などの単語を「本心から信じていない」のに使用するのは控えようかなと・・・(だとしてもずっとぼく自身の考え続けるテーマでもあるが)。そして、この著書には以下のように書いている箇所がある。

「技術は神ではない。技術が人間を救済することはできないのだ。・・・・・・人間を救済できるものがいるとすれば、それは人間自身なのだ」(P.308)

ネットワークの発達、技術の発展は人間によってもたらされていることではあるが、技術の拡散の影響も含めて、人間の癒しを「技術」に求めはじめている現実――たった2つの例ではあるが――も確かにある。なので、技術によって救済できる物事があることを「少しは考慮に入れ」はじめてもいいのではないだろうかとも同時に思う。

 

『絶対製造工場』に描かれているように技術者の困惑――技術以上のことが拡がってしまう――に目を向けて「しょせん道具」として捉えていくか、はたまたそれを超えていくものがある――夢のある世界が将来に拡がっている――と信じて突き進めていくのか、ぼくたちはこれからも技術と共にするなかで日々の決断を余儀なくされている。

 

 

 

ロボットのおへそ (丸善ライブラリー)

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ロボットとは何か――人の心を映す鏡  (講談社現代新書)

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愛のあるロボットとは何か? という問いも同時にみつかったような気もする。